スポーツで見られるシャウト効果について
科学の世界ではシャウト効果と呼ばれる瞬間的に筋力を高める声出しがあります。
大声を出す事で興奮性を高め、神経系の抑制が解除され普段以上のパフォーマンスが発揮される事が科学的には認められています。
自分自身では本気を出したつもりでも実は筋肉は100%フルには動いておらず、リミッターがかかっている状態になっています。
これを大声で叫ぶ事で解除させるのが狙いです。
別名リミッターカットとも呼ばれています。
科学的には疲労時の状態が強いほどシャウト効果が現れやすいという考察があります。
握力で計測するとシャウト効果を使った場合、2キロ~3キロ筋力の向上が見られたらしいです。
これは実際に現場でも使われており、試技前に叫ぶリフターも存在しています。
試技中に叫ぶのは固定している腹圧がズレてしまうので個人的にはオススメしませんが。
リフターはシャウト効果使ってる?
僕自身は?というと叫んでいませんでした。
使っていた時期もありましたが、結局叫ぶことよりも中身のある効果が出る練習が大事だと思います。
シャウト効果をダメだとは思いませんが、全体的にはシャウト効果を使っている選手の方は実際は少ないと思います。
瞬発系競技でも使っていない選手が多いのに持久系スポーツの場合で叫ぶのは疲れる気がします。
少年野球などでは頻繁に声出しをやりますが、個人的には声出しよりも大切な練習内容を重視した方がよい気がしますが…。
またベンチプレスの児玉選手などは声は一切出しません。
「声を出してはならない」とまで言っていたのを覚えています。
競技は違いますが、K-1で活躍していたアーネストホーストは武蔵選手が声を出しながら打撃を繰り出していたのを見て「声を出すのは武蔵の弱点だ」と言っていました。
シャウト効果を使っている?日本人アスリート
叫ぶ!と聞くと思い出すのがハンマー投げの室伏選手ですが、投擲前は叫んでいないですし、叫ぶのは必ず投擲後です。
これはシャウト効果を狙った声出しではなく、ゲン担ぎ的な要素があるんではないかと思います。
ハンマー投げの選手は投擲後に叫んでいますよね。
シャウト効果のまとめ
- 科学的には効果があるとされても現場では取り入れていない選手もいる。
- 気合や声出しよりも動作そのものに意識を集中させるべきだと考えるリフターもいる。
- 圧倒的な重量が上げられるのには正しい知識と圧倒的な経験とトレーニング量があるからで声を出せば高重量が同じように瞬間的に上げられるワケではない。
- マックス50キロの人が声を出してシャウト効果を使ったとしても効果は微々たるモノ。
使ってみて効果があると感じれば使ってみましょう。
効果がないなら無理をして使わなくてよいです。
体感的には叫ぶだけ疲れる場合もありますので、マラソンなど持久系の場合は体力が削られるのでオススメしません。
それよりも普段の練習している中身に目を向けた方が伸びしろがある可能性があります。